Tea-factory
2019
所在地 : 東京都目黒区
用途 : 物販店舗
竣工 : 2019年
規模 : 39㎡
構造 : RC造
階数 : 地上3階/地下1階(当店1階)
写真: TOLUHITO
『街に開かれたキッチン』
敷地は小規模店舗が集まる東京自由が丘の駅前にある。自由が丘は街歩きを楽しむ街であり、敷地は街歩きの起点となる場所にある。この場所で台湾茶の店舗を開くにあたり、『魅せる工場』をデザインコンセプトに、テイクアウト型店舗における手前と奥の新しい関係の構築を目指した。
通常のテイクアウト型店舗において最も奥に配置されるキッチンを、敢えて手前に配置し、通りに対してガラス張りとすることで、キッチンでお茶を作る様子自体を、街に対してディスプレイ化した。キッチンの窓辺には、今回店舗のために特注製作されたガラス製の給茶マシーンを並べ、通りを歩く歩行者たちの目を楽しませる。
店舗中央のカウンターは、ファサードラインに対して斜めに配置し、長さを最長化した。こうすることで、客と店員のインターフェイスを最大化し、コミュニケーションを取りやすくすると共に、出入口からもキッチンでお茶を作る様子を眺めることができる。
また、建物の直行軸によらない斜めのカウンターの配置は、内部空間に自由な雰囲気を与え、内部空間での居心地の良さを向上させられるのではないかと考えている。
カウンターの表面は鏡面張りとすることで、中と外の風景を互いに写し出し、外部空間を内部に取り込むことを意図している。出入口の4枚引き戸は営業中開放し、客用スペースの床仕上げは通常外部で使うコンクリート平板とすることによって、客用スペースを外部空間の延長と捉えて作りこんだ。その結果、街歩きをしながら、ふらりと立ち寄りやすい雰囲気を醸し出す事ができたと考えている。
キッチンをディスプレイ化し、自由に入れる外部空間の延長として内部空間を作りこむことで、『街に開かれたキッチン』を実現することができた。