House M 
        2021

所在地 : 東京都台東区

用途 : 戸建住宅(リノベーション)

竣工 : 2021年12月

規模 : 146.66㎡

構造 : 木造

階数 : 地上3階

施工 : NENGO

​オーダーキッチン製作 : Basis

​撮影 :  Forward Stroke Inc.

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改修前外観

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外観。外壁のタイルと手すりは撤去し、外壁は再塗装した。

アプローチ。塀の瓦と玄関扉は交換した。

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改修前玄関ホール

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庭と1階ダイニング。庭の床は改修前のままとした。

​玄関ホール。鏡を使う事で奥行きを増している。

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​1階ダイニングキッチン。改修前書斎だった部屋にIHキッチンを設置した。

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​1階ダイニングと玄関ホール。仕上を連続させ一体的な空間とした。

​洗面室。洗濯機を階段下に移動し、広い洗面台を実現した。

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​1階寝室。テラスはアルミフェンスの上から木ルーバーフェンスを設置した。

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改修前LDK

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2階LDK。改修前のキッチンは撤去し、広々とした明るい空間を実現した。

​ダイニング天井のライティングレールには、将来好きな照明を設置できる。

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​窓の中心線に合わせてキッチン、照明、タイル目地を揃えた。

​アイランドキッチンの腰壁は天板と同じ素材で仕上げた。

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​グレーのタイル床と塗り壁によって木製家具を引き立てる。

​塗り壁は職人の手によってザラザラで適度にムラのある質感を実現。

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壁面は窓枠と面一とし、床取り合いは入り巾木とした。

​廊下への扉をガラス引戸にすることで空間の広がりを増している。

2階キッチン。既存配管を活用。アイランドの位置はミリ単位の調整を行った。

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​2階ホール。LDKと同じ仕上げ材で空間が連続する。

3階ホール。腰壁に孔を開け、斜めルーバーを設置した。

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​3階主寝室。子供(妹)のスペースを引戸で仕切ることができる。

​引戸を閉めれば個室として使うことができる。

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​子供(妹)のスペース。

​子供(兄弟)部屋。右手にバルコニー。

『共用する二世帯住宅』

 住まい手の変更に伴い、築19年の戸建て住宅のリノベーションを行った。日本では二世帯住宅というと、玄関を2つ備えるなど、居住空間が完全に分離される例も多いが、このプロジェクトでは、元々が一世帯向けに設計されている住宅を二世帯住宅に改修するため、必然的に共用するもの、しないものを整理する必要があった。

 

 新しい住まい手の家族構成は祖母、父、母、子供(兄・弟・妹)の6人家族である。1階で祖母の生活が完結できるようにダイニングキッチンを計画し、IHキッチンを増設した。1階の浴室は家族全員で共有し、2~3階は5人家族のスペースとして設計した。5人家族世帯は数多くの友人が集まる家にしたいとのことから、2階は一室大空間の広いLDKとした。

 

 生活フロアが違っても、二世帯家族間の一体感を感じられる住宅を目指し、1階のダイニングキッチンと2階のLDKは、廊下との間をガラス引戸で仕切り、廊下と階段を介して繋がるパブリックスペースと捉えて設計した。寝室以外の場所を2家族のパブリックエリアと捉えると、庭で遊ぶ子供を見ながら、1階ダイニングキッチンで祖母と友人が談笑したり、2階に夫婦友人が集まっている間、子供は1階で遊んだりと、二世帯間の境界は曖昧になり、いわば、「1.5世帯住宅」とでも呼べる状況が生まれるのではないだろうか。

 クライアントは来客をもてなす家にしたいとのことから、空間のホスピタリティーを高めるため、小さなホテルのような空間づくりを行った。パブリックエリアの床はタイル仕上げとし、仕上げ材はなるべく連続させることで空間体験を接続していった。逆に寝室は仕上げを全く変えるなど、空間体験を切り、ホテルの客室のように、家族だけのプライベート空間を確保した。結果として、商空間と住空間を行ったり来たりするような多義的な住宅となり、様々な使い方を許容できる豊かさが生まれたのではないかと考えている。

​『既存構造体が持つあるべき姿に整える』

​ 木彫や石彫の彫刻家は素材を良く観察し、最終形のあるべき形を導き出すという。建築を1から建てる時、何もない敷地から最終形を想像するが、ここには無限の選択肢があると言える。今回のような改修の場合、既存建築という素材があって、条件に応じて余分な要素を取り除き、必要なものを付加していく。そうして、あるべき姿を導き出すという点では彫刻の作業に似ていると言えるのではないだろうか。

 構造体を良く観察すると、施主条件によらず、その建物本来のあるべき姿が見えてくる。コストや廃棄物削減の観点からは、なるべく壊し過ぎずに再利用したいが、どこまで壊すべきなのか、彫刻で言えばどこまで削り取るかが改修における最もクリエイティブな作業であると考えている。今回の改修前の2階キッチンは、本来あるべき姿ではなかったように思う。もちろん家族にはそれぞれの事情があるので住宅のプランに答えなどないが、柱梁や耐力壁の位置をよく観察し、その構造体から本来あるべき姿に形を整えた結果が今回のプランである。

 リノベーションというと、表面仕上げや造作家具、キッチン・浴室といった設備の更新に注目しがちではあるが、一旦、表層の情報レイヤーを非表示にし、純粋な「もの」としてシンプルな形に整えていくことこそが、永く愛される住空間に繋がるのではないかと考えている。

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ROOF PLAN

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BEFORE - 1F PLAN

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AFTER - 1F PLAN

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BEFORE - 2F PLAN

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AFTER - 2F PLAN

BEFORE - 3F PLAN

AFTER - 3F PLAN

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AFTER - SECTION